ヨモヤマバナシ

【 いい日、旅立ち 】

掲載日 2010-06-10

さぁて、何から書こうか…?
気分はタクローの私は今日から旅に出ました♪♪♪
でも出発は明日なので、狩人の「アシタ私は旅に出ま〜す」… ク・ク・クライ!!
最初から最高にクライマックス!!なんのこっちゃい!!

私が明日から行くのはFloridaのD.SearingのShopです。
約1ヵ月間お世話になります。
キューを買うのかって??No、No…
Searingのキューは昔は手に入りましたが、今では10年待ちといわれています。
私は6年程前に大量にオーダーしましたので、まもなくできる、とずっと会う度に言われています(でもずっと手に入らない気もしています)。
今回私が彼のShopを訪れる最大の理由は、キュー作りに必要な色々なパーツの勉強と、フライス盤(NC)の使い方、デザインの仕方etcを学ぶためです。

D.Searingについては、日本にはほとんど情報がないのでご存知ない方も多いかと思いますので、簡単にご紹介いたします。
彼は多分48歳ぐらいで、若い時から有名なプレイヤーでした。プロツアーでもプレイしていたし、過去にフロリダ州のチャンピオンにもなった実績もあります。キューメーカーの中では、US Openチャンピオンになったボビー・ハンターとDennisがトップだろうとは誰もが言っています。(シーゲルはどうなんだ!?って聞かないで!)
Dennisのプレイキューはずっと昔からGus Szambotiで、今まで3本プレイキューとして直接オーダーしたそうです。我々からしたら、直接Gusにオーダーなんて、超羨ましい!!
故Gusとは大変仲が良かったそうで、いつも電話でキューについて様々なレクチャーを受け、電話の総時間数では数百時間になると言っています。Dennis SearingはGusのキューをずっと愛用していましたが、彼の人生が変わり始めたのは1988年のこと(本人談)。
突然彼のもとにGusが亡くなったことがしらされ、大変悲しかった。
そして、今までキューの簡単な修理とかを全部Gusに頼んでいたので、それから総て自分でしなくてはならなくなったそうです。
最初は自分のキューだけを自分で工夫して修理や手入れをしていたけど、そのうち他人にも頼まれるようになり、もう20年が経つそう。
キュー作りをして他人の物を触っているうちに色々欲が出て、構造的に研究したり、素材を学んだり…。
その中でもSearingの一番の特徴はマシーニング!!
個人のキューショップでは私の知る限り最新のマシンを自作しています。自分でできない部分はデザインして作ってもらい、組み立ては自分で行うと言うから、凄い!!
D.Searingの作っていたキューは、私たちが最初に出会った頃…今から10年程前は全部がシンプルで、何も凝ってはいませんでした。地元の評判が高くて、直接買うことができずに困ったことを覚えています。
Shopで新作を手にした人がShopの中でメーカーにお金を払い、目の前で周囲の人に倍額で売っている、という信じられない光景…、それがSearingのキューとの出会いでした。
だから当然最初は購入しなかったのですが、2、3回目に会う頃には誘惑に勝てずに私も数本手にしてしまったのです。

彼の作り出すキューは、Gusと同じパイロテッドジョイントの割にはずっとスティフで、グリップから下が太いものでした。
デザインは全体的にメープルにハギとリングで、とりたてて購入動機になるものはありませんでしたが、作りは大変しっかりしていましたね。

では、なぜ今回私はD.Searingの所に1カ月も滞在するのでしょうか?

皆さんの中でファンシーキューを作るメーカーと言えば誰の名が挙がりますか?
1人で3人のキューメーカーを選ぶとすると、果たして何人がD.Searingの名を挙げるでしょうか?日本ではゼロ…、ゼロ%なのは間違いないですよね。
「ファンシー」には多分2系統あって、1つはエレガントでハンドメイドの味のある“ファンシー”です。メーカーとしては、Showman、Barry、Barenbruggeなど。そしてもう1つは、Black BoarやManzino、Bender、Thomas Wayne、ArtherQのようなインレイが華やかな“ファンシー”。
では、D.Searingは…?というと、ちょうどこの2系統の中間に居ます。1本1本に手作り感がありながら、インレイの細部へのこだわりはまさに世界No.1!!
彼の仕事を確認するには拡大ルーペが必要なほどです。そしてそのレベルの高さはこれら2系統のメーカー達がうならずにいられないほどのものなのです。
デザインの好みなどがあるから一概には言えませんが、私(Lucky)の目からは、現在世界No.1と言える程です。
その原点になっているのがSearingのShopにある高性能のマシン群であり、それを活かすDennisの頭脳なのであります。

彼の駆使するマシンの良い所は、たとえば刃径は0.1ミリのものを使うというところ。
0.1ミリの刃先でインレイを削るって大変時間がかかります。その刃を毎分数万回転させて削るのですが、例えばシェープダイヤのインレイを削った穴(ポケット)に入れるのにも上手・下手がある、とDannisにはっきり言われました。彼のキューにインレイを上手に入れられるのは、10人中2〜3で、それも訓練しないとその2〜3人にはなれない、とのことです。
ちなみに現在6本が最終の工程に入っているそうで、そのうち4本がスーパーファンシーなキューとのこと。次回のヨモヤマでは画像やその素晴らしさをお知らせしたいですね。

さてさて、果たして私の未来はどうなっているのでしょうか?
視力は衰え、コンピューターもからっきし理解できない私が先生として選んだのは現在世界一と思われるキューメーカー…。
木材からパーツ、Cad、デザイニング、マシーニング…、たくさんの課題があります。
なんとかものにしたい、形にしたいです。
頑張って行ってきます!!