ヨモヤマバナシ

【 ヒ・ミ・ツ、、、ウ、フン? 】

掲載日 2009-06-17

最初に一言、今回のヨモヤマは新着情報には載せないようにスタッフに頼みました。題材がヒミツなだけにね…。忠告する!無理して読まなくて良いからね。


この地球上に人類が30億人とか50億人とか(ネットで見たらなんと67億人!!)数えたことはないけれど、きっと人類誰しもが秘密の1つや2つ持っているのではないだろうか…。
『ヒミツ』とは、知られたくないこと、知られて恥ずかしいことなのだろう。自分の勘では女性の方が多いね、多分。


先日アリゾナで見たTV番組で(全米放送だよ)日本を紹介しているところがあり、日本は小さい部屋に家族全員で住んでいる、特に東京は土地が高いために小さいアパートメントがたくさんあり、だからこんな狭いところに3000万人も住めるのだ、ということをリポーターが話していました。
ちょっとちょっと…、オイラ以上に乱暴じゃない?エーーッ!!
前々回、このヨモヤマに出演した奥さんのCathyが「そーなんだ、ふーん…」。
(私:え、これは香港とかソウルじゃないの?)
どう説明しようか戸惑っているうちに画面は築地に移り…
私「いや…、日本ではこんなことはなくて…、少し違うんだけど…」
Cathy「どう違うの…?」
私「うーん…、我が家だって、このリビングぐらいの広さに2階建てで…」
と話して、リポーターの言葉が正しいことに悔しいけれど気付かされました。Cathyは鼻で笑っていますっ、クソッ。


そうかー、狭いところに住んでいるから尚更プライバシーが生まれちゃうんだ、日本は。アメリカじゃぁ、恥ずかしいという感覚はないのかな?Daveはオナラもゲップもやり放題、恥もヒミツも何もあったもんじゃない!!
最初は、お国柄、とは思っていたけどあまりひどいので抗議したら、ケロッとしてこう言われました。
「Outside has more room than inside.What’s wrong?」
(中より外が広いんだから…しょうがない。なにか問題でも?)
でもね、頭にくるのは一緒に買い物を済ませ車に乗って発進するとすぐ「ぶぶっ!」…。待ちかねたような態度もひどいけどにおいも…しかも密室状態ですから…今日のテーマの「ウ、フン?」なんです。


今日のテーマはスタッフからも「黒いヒミツ」とかの方がいいんじゃないですか、と言われましたが、非公開のヨモヤマだから大丈夫と思う、と私。でも、こんな汚い話じゃぁさすがに次回からは前フリを読む人が減るだろうけど…


「FROM WHO, DID YOU GET THIS WOOD?」
「I CAN’T TELL IT, LUCKY, SORRY... I JUST CAN’T...」


キューメーカーにとっては自分の木の仕入先は本当にマル秘、まず教えてくれません。教えてくれたとしても嘘ばかりで、聞く方が間違っている、と彼らは考えています。
アメリカ人はジョークが好きで、困っている人にも平気でひどい嘘をつく人が結構いますが、カスタムキューメーカーなどはその典型で、嘘をついたり平気でオナラをしたりする人ばかりです…。
先程の会話はScruggsの右腕Mike Cochranとでしたが、まだきちんと答えてくれています、「いやだ」とね。
(話していて教えてくれないなんて、ケチ!別に困るわけじゃないし減るわけじゃないジャン…)と思っていました。



こちらに来て切実に感じたことは、「キュー作りをしようかな」と思って黒檀やらピンクアイボリーやらココボロ、スネークウッド、バーズアイ…、キューに適した素材を買おうとするとホントにどこに電話していいかわかりません、売り手が探せないんです。
10年、20年前ならいざ知らず、今のこのネット社会でウソでしょ〜、と皆思うだろうけど、これホントノハナシデス。


「キューを作ろう」と思ったら『自分のキューには絶対一番良い素材を使いたい』と思うのは自然でしょ、違いますか?
では、売る方はどうかしら?
持ってるものは全部売りたい!良いも悪いも関係なく、全部売りたい!良いのだけ持っていくやつは困る、来るな!
これが本音だと思います。だって不良在庫ばかりになったら誰も来ないし…つぶれちゃいます、でしょ?
だから必ず買い手のつく商品はネットには載せないし、コネのないやつがショップに来ても見せてもくれません。


日本での黒檀のネット上の説明を見ると、その多くはインド辺りが産地となっていますが、こちらで皆が持っているのはほとんどがアフリカ産。大きく分別すると4種ぐらいかと思います。
大手の木材業者が注文するのはナイジェリア産の黒檀(ガブーンエボニー)の場合、1オーダーで5000本分だそうです。そしてあちこちで留め置かれて検査をされ、やっと手に入るのが1500本分。テロの影響で入荷までにかなり時間がかかると言っていました。
さて、私が求める黒檀は、仕上げの段階でほぼ真っ黒に見えるものが欲しいのですが、…黒檀というからには大体が黒いと思うでしょ?とんでもない。いくつもの業者さんに聞きましたが、そういうものは10%あればその大木(LOG)は、当たり、だそうです。いかに黒い黒檀を手に入れるのが難しいかが、この話からも伺えます。茶色が入っていたり、グレーだったり、割れていたり…、でも業者さんは仕入れたからには全部を売らなくてなりません。集める方も大変ですが、売る方も大変ですね…。


今回の話は、私がAbe Richの木を買った時になぜか黒檀とバーズアイメープルを持っていなくて(バーズアイはその当時は素材として使われなかったから無いのだろうけれど、黒檀はその価値を知る誰かが持っていってしまったのかな、と憶測しています)、でも幸いバーズアイはGinacueのErnieから古い物を大量に分けてもらって助かりました。でも、黒檀が難しくて…たくさん勉強しました。木材業者2社と最終的に話が合い、その時に学んだ話なのです。


キュー作りを始める前までも私は木材が好きで、アメリカの業者にも何度か足を運んだことがありました。が、購入するに当たり、これほど時間がかかり、待たされるとは思ってもいませんでした。電話で注文⇒次の週には届く、というのが我々日本人の感覚ではないですか?私はただ、それにプラスで欲しいレベルの品質を伝えて、業者さんに選別してもらい、その届いた中で気に入らないものは返品する、と言っただけなんですがね。おかしかったですかねぇー…、まさか嫌われちゃ、いないだろうね…。
でも、幸いなことに今まで届いたものはほとんど良い物ばかりでした。エボニーもピンクアイボリーもスネークウッドもローズウッドも。エボニーは9本だけ返品しましたが、何本買ったか?それはヒミツです(^^)


ここで、自分で読み返してみて説明が足りないと思うところがありますので少し書き足しますね。
アフリカから木材業者に届く黒檀はカットされているものもありますし、大木のままのものもあるそうです。でも、どちらもすぐにカットして使えるか、というと少し無理だそうで、早くても10ヶ月、しっかり置くのなら2年ぐらい、ワックスを塗ったまま少しずつ乾燥させます。乾燥させる時は、角材と角材の間に『Sticker』と呼ばれる小さい木片を挟みます。こうして空気が周りを循環するようにしないと、長年置いていても必ず割れてしまうのです。
少し前までは5000本オーダーすると3000〜4000本の入荷があったそうですが、ここ数年はめっきり入荷数が減ってきています。
アフリカの産地の中ではナイジェリア産が高品質のものがあり、政治的にも安定している方で、他の紛争地域よりまだ入りやすいんだとか。


今回エボニーを勉強して知ったことですが、私が好きなGusはマッカーサエボニーでBarryはナイジェリア産(ガブーン)であるというのも私の持っていた知識と違いました。マッカーサエボニーは日本名では縞黒檀で、私の持っているものは縞黒檀より真っ黒のものが多いので…、外見だけで産地を判断するのは黒檀は特に難しいですね。
そもそも『黒檀』と言うと『クロ』と思うでしょ?でもクロにも色々…あるんです。
赤黒い、青黒い、漆黒、浅黒い、どす黒い、土黒い…。日本でズバ抜けて評価が高いのは…『青黒』です。
アメリカ産のキューで黒く塗ったのはシーちゃん、日本では…、ヒミツです。


話が黒くなったので変えましょう。
黒檀はアメリカの木材業者のどこもが必ず持っています、日本ではNTTどこもが有名ですが。
どこでも持っているということは、あちこちから需要があるわけで、業者は常に在庫しているということなんです。
例えて言えば、一般家庭での熱さましの感覚ですね。どこの家庭にも解熱剤はあるでしょ?持ってるよね??
黒檀はアフリカ産だけに熱帯地方だからね…って、違うか…、アメリカの話だから亜熱帯?いやいや…ネッタイ違う、違うと思うね。


黒檀はPoolcueにはとても便利な素材なんです。なぜかと言うと、木目が見えにくいため(黒くてももちろん木目はあります)。
ハギとスリーブとか、フォアアームとスリーブとして用いる際に、他の素材のように同じところのものを使わなくてはいけない、と言うことが黒檀にはありません。6インチの長さのものがあればスリーブに使えます。他の木材では6インチではだめで、最低12インチ、できれば18インチか20インチが欲しいのです。12インチはハンドルかフォアアーム、18インチはフォアアームとスリーブ、20インチはそれにジョイントキャップ…、わかりやすいでしょ。
これさえ覚えれば、君も立派なキューメーカだね、ウン。


話をちょっと戻して…。
どこもが持っているのは黒檀。ではどこもが持っていないのは何?(とんちじゃないよ〜)
答えは…メープルです。ヒミツではありません、ア、でもヒミツも持ってるかも。
シュガーメープルだけはアメリカでもミシガンの業者が専門で取り扱っています。全米に点在している木材業者では良いものは手に入りません。
先のMike Cochranとの会話も、実はシャフト材についての会話でした。僕がいくら刑事さんのように問い詰めても親しいキューメーカーでさえ「知らない…ヒミツなんだ!」
こんなに大きな国で暮らしていても「ヒミツ」なんです。


日本人はもっと堂々とするべき、こそこそするなーっ!ダーッ!!


ヨモヤマ特別版でした。英語では I’M SORRY...